錦鯉がかかるコイヘルペスについて

ウイルス イラスト

コイヘルペス(鯉ヘルペス)は錦鯉にとって非常にやっかいで治療方法が確立していない病気です。

錦鯉が大量死すると地元のメディアにも取り上げられるほど関心が高く錦鯉を自宅で飼う方も知識として持っておいたほうがよい病気です。

錦鯉がかかるコイヘルペスについてまとめました。

錦鯉がかかるコイヘルペスの症状は

コイヘルペスはKHVとも呼ばれています。

コイヘルペスの症状としては、初期症状としては様々です。

錦鯉の元気がなくなり、食欲不振、粘膜が異常に増してくるなどコイヘルペス以外の病気でも出てくる症状です。

コイヘルペス独自の症状というのはなく、判断が難しいところでもあります。

錦鯉のコイヘルペスの原因は

錦鯉がかかるコイヘルペスの原因はコイヘルペスウイルスというウイルスによってひきおこされます。

ウイルスそのものは錦鯉のヘルペスウイルス粒子として電子顕微鏡で観察もできます。

日本では最初は2003年にコイヘルペスが発病し養鯉場や天然の池などの錦鯉は大量死しました。

それ以前にイスラエルやアメリカで発病がされましたが、日本に広がったルートは特定できていません。

致死率は20度~26度の場合80%程度と非常に高く特定疾病に指定されています。

そのため、コイヘルペスの感染が発見された場合、感染した錦鯉の殺処分、養鯉場の消毒、販売流通の停止などを行い、できる限りコイヘルペスを広がるのを防ぎます。

コイヘルペスは鯉だけがなるの?

コイヘルペスは真鯉、錦鯉がなる病気です。

人間には感染しません。

鯉以外の魚にも感染しないようです。

また孵化したての錦鯉にも感染しないようです。

仮にコイヘルペスに感染した錦鯉を調理して食べたとしても人間はコイヘルペスにならないので安心してください。

人間へ感染しない件については農林水産省のホームページにもしっかりと記載がされています。

錦鯉がコイヘルペスに感染したら

錦鯉がコイヘルペスに感染していると分かった場合、錦鯉自体の治療(予防)と飼っている環境の消毒が必要になります。

錦鯉を飼っている環境について

コイヘルペスは塩素で不活性化させることが可能です。

塩素濃度200ppm程度で消毒散布します。

散布が完了した後は塩素濃度自体が錦鯉にとってよくないのでハイポなどで中和をさせます。

その後洗い流します。

自宅で水槽で飼っている場合で水槽が小さければ熱湯で5分程度煮沸することでも消毒可能です。

池や大きな池の場合は下流へコイヘルペスを拡散を防ぐためにも池や水槽のを3ppmで30分程度消毒し、中和してから排水します。

しっかりと拡散を防ぐことが大切です。

消毒の詳細方法は農林水産省のホームページに詳細が掲載されています。

コイヘルペスが発生したら養鯉場は都道府県知事への届出を

コイヘルペスが発生した場合、各都道府県の県知事に届け出をすることが義務付けられています。

コイヘルペスはどのような環境で感染するのか

コイヘルペスは18度~26度程度で増殖します。

そのため、低温の水温であればコイヘルペスは発病しません。

しかし、感染自体はするので水温が上がると発病します。

また、30度以上の水温の場合も発病しないといわれていますが、正しい治療方法ではありません。

農林水産省でも32℃で昇温治療を行ってから14ヶ月が経過した鯉でもコイヘルペス菌は保有されていると報告があります。

自宅で飼う錦鯉からコイヘルペスを広げないために

コイヘルペスは現状防ぐことができない病気です。

家庭の池などでも発生することはあり、拡散させないことが重要です。

特に飼っていた錦鯉が何かしらの都合で飼えなくなった場合などほかの池に放流することはやめましょう。

もしコイヘルペスのウイルスを保有していた場合拡散の原因になりえるためです。

自宅の池や水槽で錦鯉がコイヘルペスで死んでしまったら池や川などに捨てることなくしっかりと処分をしましょう。

また、錦鯉のコイヘルペス以外の病気については「錦鯉の病気の症状と治療について解説 錦鯉の薬や予防方法も」にまとめているのであわせて読んでみてください。

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