錦鯉の塩浴 水槽で塩濃度表や計算方法、期間などを解説
錦鯉を新しく購入し、水合わせをしてそのまま池や水槽に放流していませんか。
しっかりとした養鯉場では問題ないですが、錦鯉は長旅に疲れており塩浴をしてから放流してあげることでより快適な錦鯉生活ができます。
また、錦鯉の病気の回復にも利用される塩浴ですが、錦鯉初心者には難しい内容です。
今回は、錦鯉の塩浴について詳しく解説したいと思います。
錦鯉の塩浴とは
錦鯉の塩浴とは、簡単にいうと淡水ではなく、塩水に錦鯉を入れることで錦鯉の体調を整え、病気を防ぐことです。
メリットは主に2つあり、塩浴することで寄生虫を駆除して病気を予防し、また回復させることと、塩水にすることで錦鯉の浸透圧を整え、錦鯉の代謝機能を整えることができます。
錦鯉の病気を予防し、錦鯉の病気を回復させる
錦鯉にはさまざまな病気があります。
尾腐れや浮腫症には薬も有効ですが、塩浴さえることで錦鯉を回復させることができます。
理由としては、原因である錦鯉につくフレキシバクターやカラムナリスは塩水に弱く、塩浴させることで死滅させることが可能です。
一般的には0.5%程度の濃度の塩水で1週間前後塩浴させることで回復させることができます。
塩浴機関については、埼玉県が「ニシキゴイの浮腫治療時の塩水浴期間について」を発表しており、浮腫症の場合、死亡する錦鯉がいない場合は7日間、死亡する錦鯉がいる場合には14日間必要だと発表しています。
錦鯉の治療にも塩浴は利用できますが、寄生虫を駆除に利用できるため、錦鯉の病気の予防にも塩浴は有効です。
錦鯉の体調を整える
錦鯉の病気を回復させたり、予防するだけではなく、錦鯉の日々の体調を整えるのにも塩浴は有効です。
具体的には、塩水にすることで淡水とは異なり錦鯉の浸透圧に近づけることにより錦鯉に負荷をかけないということです。
錦鯉は体内に体液の塩分濃度が淡水状態より高いため、常に外の淡水から錦鯉の体に淡水が入ってこようとしています。
実際に錦鯉は取り込んだ淡水をおしっことして体外に出すことで体のバランスを整えています。
しかしながら、何らかの原因で体調を崩すと浸透圧が崩れやすくより体調を崩しやすくなってしまうのです。
それを塩浴し、錦鯉の体に塩分濃度を近づけることで錦鯉に余計な負荷をかけず体調を整えやすくすることができます。
塩浴の濃度は同じく0.5%程度が無難です。
錦鯉をはじめとする魚の体内の塩分濃度は約0.9%といわれているのでそれに近づけるだけで効果があります。
ただし、塩分濃度を高めすぎてしまうと今度は濃度が高すぎて逆効果になってしまうので注意が必要です。
錦鯉を水槽で塩浴をするときの手順
錦鯉を水槽で塩浴させるときの手順としては、水量を計算して塩を水槽に溶かすだけです。
おすすめの方法としては、対象の錦鯉だけ別の水槽に入れて塩浴させる方法です。
新しく購入した錦鯉の場合、長旅で疲れており、また、万が一養鯉場から寄生虫などを持ってきてしまっている可能性もあるので隔離して塩浴することがおすすめです。
尾腐れなどが一つの水槽で発生している場合は同じ水槽ですべて錦鯉を塩浴させることが有効だと思います。
目安としては上記もしていますが、1週間から2週間程度ですが、完了したら水替えをしてあげましょう。
錦鯉は淡水魚で本来塩水に住む魚ではありません。
そのため長期間塩浴させることで錦鯉の表面のぬるぬる成分であるムコプロテインがなくなってきて、ほかの病気の原因にもなりかねないので期間を決めて塩浴させることも重要なことです。
また、塩浴中は餌は与えないようにしましょう。
錦鯉を水槽で塩浴をするときの塩の量と濃度
錦鯉の塩浴は一般的には0.5%前後だといわれています。
水槽で塩浴させる場合、以下目安表を参考に塩浴させてみてください。
若干数値とずれたところで錦鯉には影響はありませんが、あまりに塩度が高いと錦鯉に悪影響なので注意しましょう。
以下は0.5%濃度の塩浴をさせるときの水槽に対する塩の量の目安です。
水槽の大きさ | 縦横高さ | 水量目安 | 塩分量 |
30㎝水槽 | 縦30㎝×横18㎝×高さ24㎝ | 12リットル | 60グラム |
45㎝水槽 | 縦45㎝×横24㎝×高さ30㎝ | 32リットル | 160グラム |
60㎝水槽 | 縦60㎝×横30㎝×高さ36㎝ | 64リットル | 320グラム |
90㎝水槽 | 縦90㎝×横45㎝×高さ45㎝ | 182リットル | 910グラム |
120㎝水槽 | 縦120㎝×横45㎝×高さ45㎝ | 243リットル | 1215グラム |
180㎝水槽 | 縦180㎝×横60㎝×高さ60㎝ | 648リットル | 3240グラム |
初めて塩浴させるときには思ったより塩の量が多くてびっくりしますが、0.5%濃度の塩浴でも結構多い塩を利用します。
また、塩水浴・汽水用塩分濃度計という商品もあるので塩濃度をしっかりと計りたい方は 塩水浴・汽水用塩分濃度計の購入をおすすめします。
錦鯉の塩浴におすすめの塩
錦鯉の塩浴に利用される塩ですが、一般的な塩であれば何でも大丈夫です。
ただし、料理などで重宝するアジシオなどはさけましょう。
養鯉場などではミネラル分が豊富な塩を利用することもありますが、単価が高いので塩浴だけをかんがえるのであれば普通の食塩で問題ないです。
以下などは塩浴におすすめできる塩なので参考にどうぞ。
業務用で信頼性が高い塩
原塩を砕いた天然塩です。
業務用で NaCl純度95%以上となっておりミネラル分が豊富な塩で安心して利用できます。
5kg、10kg、25kgから選ぶことができます。
錦鯉の塩浴といっしょに入れると効果的な抗菌剤
錦鯉の塩浴の目的の一つは病気からの回復です。
塩浴は薬浴とは違い、錦鯉に負担が少なく簡単なため、実行しやすいですが、回復が見込めない場合、薬を利用して薬浴をするようにしましょう。
薬浴をする前に錦鯉の病気の種類をしっかりと把握したうえであった塩浴と薬浴をするようにしてください。
錦鯉の病気については「錦鯉の病気の症状と治療について解説 錦鯉の薬や予防方法も」に内容をまとめているので参考にしてみてください。
錦鯉の穴あき病、立鱗病、スレ症などの薬浴に利用
錦鯉の尾腐れ、水カビ、白点などの薬浴に利用
錦鯉の外傷、すり傷などの薬浴に利用
錦鯉の塩浴 水槽で塩濃度表や計算方法、期間などを解説のまとめ
錦鯉の体調回復や病気を予防、錦鯉の病気の予防に塩浴という方法があります。
錦鯉は淡水魚ですが、塩をいれ塩水にし、治療や体調管理をすることを塩浴といいえます。
錦鯉の塩浴は塩濃度0.5%程度が目安で期間は1週間程度が目安です。
水槽で塩浴をする場合、30cmの水槽なら60グラム、120cmの水槽なら1215グラムの塩を利用するのが目安です。
塩の種類は一般的な塩であれば何でも問題なく、ミネラル分が豊富な塩であればより錦鯉によい影響があると思います。
塩浴中は錦鯉には餌を与えないようにしましょう。
錦鯉が尾腐れなど病気の時には薬浴も併用などもできます。
これらに注意してぜひ錦鯉に塩浴を試してみてください。